新型コロナウィルス感染症対応ガイドライン (2022年7月1日)
政府は2022年5月、新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針を変更し、マスクの着用に関して新たな考えを示しました。そこでは、屋外でほとんど会話しない場合などにマスクの着用は不要とされ、特に夏場、熱中症予防の観点から屋外で必要のない場面ではマスクを外すことを推奨しています。
本格的な夏を前にすでに猛暑が続く現在、「コロナ対策」と「熱中症予防」を両立させるためにもマスク着用の新ルールをお知らせします。
【マスク着用の新ルール】*政府の基本的対処方針より
身体的距離(2m以上を目安)がとれている | 身体的距離がとれていない | |||
屋内 (注) | 屋外 | 屋内 (注) | 屋外 | |
会話する | 着用を推奨 *十分な喚起など感染防止対策を講じている場合は外すことも可 |
着用は不要 | 着用を推奨 | 着用を推奨 |
ほとんど会話しない | 着用は不要 | 着用は不要 | 着用を推奨 | 着用は不要 |
(注)外気の流入が妨げられる建物の中、地下街、公共交通機関など
- 高齢者との面会や病院内など重症化リスクの高い人と接する場合はマスクを着用する
- 2歳未満の乳幼児には着用を推奨しない
- 2歳以上の就学前の子どもにも他者との身体的距離にかかわらず一律には推奨しない。ただし、施設内に感染者が生じている場合など、施設管理者等の判断により可能な範囲でマスクの着用を求めることがある。
特に文部科学省は小学校から高校段階の学校生活においては、野外の運動場に限らず、プールや屋内の体育館を含め、体育の授業や運動部活動、登下校の際にはマスクの着用が不要とし、むしろこのような場面では熱中症対策を優先してマスクを外すよう推奨しています。
空手協会は2020年11月に示した「新型コロナウィルス感染症対応ガイドライン」において、「空手をするにあたっての対策」でマスクの着用について触れており、稽古中も熱中症の危険があるときは2mのソーシャルディスタンスを確保の上で外してもよいとしています。
空手は相手に近づいて技を繰り出し、その都度きわめて大きな「気合」を発するため、その際に通常の会話よりはるかに大量の飛沫が飛び、マスクやマウスシールドがないとその飛沫を浴びる危険性があります。そのため、組手の稽古をする場合には空手協会公認のマウスシールドの着用を推奨しております。
指導員の方はご自身も含め、稽古参加者の状態・様子をよく観察して、適度に休憩をはさみ、水分をこまめに、塩分をほどよくとるなど熱中症への対策を最優先に心がけるようにしてください。
以上の点も踏まえ、あらためて「新型コロナウィルス感染症対応ガイドライン」をお知らせします。
新型コロナウィルス感染症対応ガイドライン
1. コロナウィルス感染症に関する基本事項
(1) 感染経路
① 飛沫感染(感染者の咳・くしゃみ・会話などにより発生した飛沫と一緒にウィルスが放出され、そのウィルスを口や鼻から吸い込むことによって感染する)
② エアロゾル感染(感染者の咳・くしゃみ・会話などにより発生した飛沫の水分が蒸発してエアロゾルとなったものが空気中に浮遊し、そのウィルスを口や鼻から吸い込むことによって感染する)
③ 接触感染(感染者の飛沫が付着した物の表面を手で触れ、さらにその手で自分の口や鼻・目の周辺などを触ることで粘膜から感染する)
(2) 潜伏期・感染期間
① ウィルス感染後、発症するまでの潜伏期は約5日間、最長14日間とされる
② ウィルス感染後、他の人にうつす可能性があるのは発症2日前から発症後7~10日程度とされる
*オミクロン株では感染してから発症するまでの潜伏期間が約3日、ほとんどが7日以内に発症する
(3) 特徴的な症状
発熱、咳、倦怠感、呼吸困難、喉の痛み、下痢、結膜炎、頭痛、味覚・嗅覚の消失、皮膚の発疹または手足の指の変色
*オミクロン株では、特に頭痛、咽頭痛、鼻水の症状の頻度が多く、嗅覚や味覚の障害の頻度が少ない
2.コロナウィルス感染(拡大)の予防
上記の感染経路、潜伏期、感染可能期間などを踏まえて次の対応が求められる
【日常生活における対策】
(1) 感染しない・させない
① いわゆる『三密』(密閉、密集、密接)を回避してリスクを減らす
・密閉空間にならないようこまめに換気を行う
・密集(人がたくさん集まる場所)を避け、ソーシャルディスタンス(他の人と手を伸ばしても届ない程度の距離:2m程度)を保つ
・密接した距離での会話や発声、激しい運動を避ける
② 『新しい生活様式』を実践する
・人との間隔は2m(最低1m)開ける
・マスク着用を推奨される場面ではマスクを着けることが望ましい
・頻繁に手洗いをする(石鹸を使用し30秒程度)、もしくは手指の消毒液を使う
・地域の感染状況に注意し、感染が流行している地域への移動は控える
③ 新型コロナウィルス感染症対策分科会の提言による以下の「感染リスクが高まる『5つの場面』」に注意する
[場面1]飲酒を伴う懇親会等
[場面2]大人数や長時間におよぶ飲食
[場面3]マスクなしでの会話
[場面4]狭い空間での共同生活
[場面5]居場所の切り替わり(仕事での休憩時間に入った時など、居場所が切り替わると、気の緩みや環境の変化により、感染リスクが高まることがある)
④ その他一般的に求められる衛生事項の具体例
・こまめに換気する
・目、鼻、口を触らない
・咳エチケット(咳やくしゃみをする際に袖や肘の内側で口や鼻を押さえる)
・不特定多数の人が触れるものに触れた後は手洗い・手指の消毒をする
*参照
・感染拡大防止に向けた取り組み(内閣官房HP)→ https://corona.go.jp/proposal/
・新型コロナウィルス感染予防のために(厚生労働省HP)→ https://www.mhlw.go.jp/stf/covid-19/kenkou-iryousoudan.html#h2_1
ただし、どんなに徹底しても100%大丈夫ということはない。自分自身が感染しないよう注意するだけでなく、万が一、無症状のままに自分が感染していた場合に周りに感染を広げないためにも、上記の対策の徹底が必要となる。
(2) 感染が疑われる症状が出た場合
① かかりつけ医等、地域で身近な医療機関に電話相談する
② 受診・相談センター(地域により名称が異なることがあります)に相談する
*各都道府県が公表している、相談・医療に関する情報や主審・相談センター連絡先(厚労省HP)→ https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/covid19-kikokusyasessyokusya.html
【空手をするにあたっての対策】
運動をすると呼吸が活発になる上、空手は特に室内での稽古となるため、上記に加えてさらなる安全確保対策が求められる。
特にスポーツや武道を行う者が感染(拡大)防止のために自己管理をすることはコロナ禍での新しい常識となっている。空手協会会員の皆さまには一層の管理能力を養い発揮してほしい。
(1) 稽古にあたって
各地域によって感染状況が異なるため、居住地もしくは稽古場所が所在する地域の状況に合わせた対応が必要となる。
新型コロナウィルス感染症対策分科会は感染拡大の進行状況を2020年8月から4つのステージに分類していたが、2021年11月にはこれを新たに以下のような5段階の「レベル分類」に変更した。学校や自治体によって状況や対応指針なども異なるので、それも含めた地域の判断(各都道府県や学校、組織など)を考慮して、稽古の実施や参加などを判断すること。
*参照 国の新しいレベル分類のための指標(東京都の例)
レベル | 都の指標 | 国の目安 |
0 | 新規陽性者数ゼロを維持できている状況 | |
1 | 安定的に一般医療が確保され、新型コロナウイルス感染症に対し医療が対応できている状況 | |
2 | 3週間後の病床使用率が確保病床数(7,179床)の約20%に到達 | 段階的に対応する病床数を増やすことで、医療が必要な人への適切な対応ができている状況 |
3 | 3週間後に必要とされる病床が確保病床数(7,179床)に到達 又は病床使用率や重症者用病床(433床)使用率が50%超 | 一般医療を相当程度制限しなければ、新型コロナウイルス感染症への医療の対応ができない状況 |
4 | 確保病床数を超えた療養者の入院が必要 | 一般医療を大きく制限しても、新型コロナウイルス感染症への医療に対応できない状況 |
(2) 指導員を含む稽古参加者の感染(拡大)予防対策
① 稽古日には所定の確認事項(*注 文末に記載)に該当するような体調の変化があった場合には参加を控える
② 稽古場所への往復途上においても、密となる空間(公共交通機関など)ではマスクを着用する
③ 稽古の前後にはうがい、石鹸を使った手洗い、もしくは消毒液による手指の消毒をする
④ 稽古場への入場前には体温の測定をし、平熱(通常37.5℃以下)であることを確認する
⑤ 稽古前後および稽古中も会話はマスクを着用の上で必要最小限に抑える
ただし稽古中、熱中症の危険がある時はソーシャルディスタンスを確保した上で外してもよい
⑥ 稽古の前後、特に帰宅後はすぐに全身をシャワーで洗うことが望ましい
⑦ 稽古で使用した空手衣、タオル等は毎日洗濯する
⑧ 指導員はクラスター発生時の追跡に必要なため各稽古の参加者とその連絡先を把握しておく
(3) 道場施設の管理と感染(拡大)予防対策
① 稽古場建物の入口および各所に手指消毒液をおき、消毒履行の徹底を促す
② 稽古の前後および稽古中、稽古場の換気を行う(窓をあける、換気扇を使うなど)
③ 稽古前後には、推奨されている薬剤を使って稽古場の床や壁など不特定多数が触れる環境表面を清掃・消毒する。なお清掃時には使い捨て手袋を着用すること。
*消毒に関しては以下のサイトを参照
・新型コロナウイルスの消毒・除菌方法について(厚生労働省・経済産業省・消費者庁特設ページ)→ https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/syoudoku_00001.html
④ 洗面所・トイレに関して
・ドアノブ、レバー、便座等、複数の参加者が触れる可能性のある場所はこまめに消毒する
・水を流す場合はトイレの蓋を占めて流すよう表示する
・手洗い場には石鹸を用意し、「手洗い30秒以上」等の掲示をする
・タオルの共用を避けるために使い捨てのペーパータオルを用意するか、参加者の持参したタオル
で手を拭くよう伝える
⑤ ゴミが出た場合は、マスクと手袋を着用の上で回収し、ビニール袋に入れてゴミを密閉する。処理後は必ず石鹸と流水で手を洗う。
(4) 支部長・指導者に求められる対策
道場の責任者である支部長および指導員は参加者の安全性を確保するため、稽古の準備から終了まで
以下の点に留意して感染予防措置を講じること。前述の内容と重複する箇所もあるが、その重要性から
再度ここで取り上げる。
【稽古の準備】
① 稽古場所や更衣室が密にならないよう、場合によっては参加者の人数を制限したり時間割を調整するなどの処置をとる
② 稽古参加にあたっての確認事項(*注 文末に記載)を事前に会員に配るなどし、稽古参加者が稽古に参加する際に該当するものがないか確認する
③ 参加者が道場に入る前に体温の測定をする
④ クラスター発生時の追跡に必要なため、事前に会員名簿を作成し連絡先を把握しておく。また毎回の稽古時に出席簿を作成して参加者を記録し、練習日から最低1カ月は保存する。
【稽古中】
① 稽古中の配列、集合、待機などの際に会員同士が一定の距離(できれば2m、最低1m)を保つよう注意する
② 参加者も指導者もマスクを着用して稽古、指導をする
*ただし稽古中、熱中症の危険がある時はソーシャルディスタンス(2m)を確保した上で外してもよい
【稽古終了後】
練習終了後は速やかに帰宅を促す。
(5) 新型コロナウィルスへの感染や濃厚接触者が判明した場合の対応
① 稽古参加者に新型コロナウィルス感染症の感染が判明した場合
【感染者】
感染の判明後速やかに各道場の支部長・指導員に連絡する。稽古への参加は以下の条件を満たした段階で可能とする。ただし医療機関や保健所等から指示が出ている場合はそれに従う。また後遺症の報告も多数出ていることから決して無理をしないこと。
[発熱などの症状がある場合]
発症日から10日間経過(発症日を0日目としてカウント)し、かつ症状軽快(解熱剤を飲まない状態で37.5℃未満・呼吸器などの症状が改善傾向にある)後72時間経過
[無症状の場合]
検体採取日から症状のないまま7日間経過(検体採取日を0日目としてカウント)
【支部長・指導員】
感染者と一緒に稽古をした参加者は濃厚接触者となる可能性があるのでその旨を伝える。また稽古場や更衣室、洗面所等を推奨されている薬剤を使って消毒する。
【感染者と一緒に稽古した参加者】
濃厚接触者ではないと確認されるまで稽古への参加を見送る。
② 稽古参加者が新型コロナウィルスの感染者の濃厚接触者となった場合(身内や身近な人が新型コロナウィルス感染症患者となった場合も含む)
【濃厚接触者】
濃厚接触者になった旨をすみやかに各道場の支部長・指導員に連絡し、感染が否定されるまで稽古参加を取りやめる。原則、陽性者との最後に接触した日を0日目として7日間経過した後から稽古に参加可能。
【支部長・指導員】
連絡を受けた支部長等は稽古場や更衣室、洗面所等を推奨されている薬剤を使って消毒する。
*濃厚接触者のコロナウィルス感染が判明した場合は、上記の『①稽古参加者に新型コロナウィルス感染症の感染が判明した場合』に従う。
なお、陽性者の療養解除基準および濃厚接触者の待機期間については2022年1月(その後一部改正)の厚生労働省新型コロナウイルス感染症対策推進本部の事務連絡によるところとする。
→ 新型コロナウイルス感染症の感染急拡大が確認された場合の対応について(PDF-File)
*注:確認事項
① 咳やくしゃみ等の風邪の症状(軽い症状も含む)は続いていないか?
② 過去48 時間以内に発熱などの症状はないか?
③ 強いだるさ(倦怠感)や息苦しさはないか?
④ 咳、痰、胸部不快感はないか?
⑤ 味覚・嗅覚に少しでも違和感はないか?
⑥身内や身近な接触者に上記の症状がみられる方、該当する点がある方はいないか?